About KUNO Lab.

本研究室は2006年10月に名古屋市立大学大学院芸術工学研究科に設置された都市観察学と建築意匠学を興味対象とした研究室です。

建築にせよ都市にせよ、その様相やら特質は往々にして曖昧な表現に留まったままにそれを“批評”としてしまう向きが世評にはあります。曰く、「良い/悪い建築」「美しい/醜い都市」「整った/退屈な街並」・・・等々。いずれの“批評”も一般的な目線から発せられたようでありながら客観的評価軸を有さない、個人的で感覚的で主観的なものであるように私は思います。一般世評のそうした姿勢自体を否定する気はありませんが、もし創り手の立場に身を置くのであれば、そうした姿勢は創作の拠るべきものとしては甚だ頼りないものでしょう。

ここに、建築や都市を研究することの意義が現れます。つまり、感覚的で主観的“批評”に工学的で客観的な評価軸を付与し、それを以て建築や都市を冷静に語る術(=論理)の獲得を模索すること、です。そうした冷静で客観的な視線からの言語で建築や都市を思考して初めて、一般性というものは手に入るのではない でしょうか。

しかし、そうした術を獲得するのは容易ではありません。果てることなく重ねられる議論と思考と観察と実践の先に、ようやくおぼろげに見えるのかもしれません。研究室とはそうした厳しい格闘の場であって欲しいと私は願っています。

久野紀光

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