訃報


2013年12月30日 大滝詠一氏が亡くなった。情報がリリースされたのは翌日だった。

新聞やネットで大滝詠一氏についての様々な追悼の文章や氏の活動についての論を見かける。もちろん、適切な文章が多いが、なかには的外れなものも多い。一言言いたくなる。

まずは、大滝の仕事のひとつは個人的な仕事のみを見てはわからないと言うものだ。
彼の存在なくして山下達郎、佐野元春、大貫妙子、ラッツアンドスター、伊藤銀次、杉マサミチ、YMO、シュガーベイブなどは果たして世に出たのか?
あるいは世に出たとして、そんなに早く世に出られたのか?
と言うことがある。

また、作品で言えば.もちろんハッピーエンドの一連の活動、A LONG vacationをはじめとするナイアガラ関連の作品、熱き心に、冬のリビエラ、風立ちぬ、あるいはオリジナルCM曲の制作とリリースほかがある。なかでもロンバケは81年のベストセラーアルバムであると同時に日本のCD化アルバム第一号である。

社会的には、70年代までの日本の音楽の泥臭さを全て洗い流して、80年代以降の日本のポップスを別の次元へと引き連れて行ったように思う。
また、作品のアプローチは自らのオリジナリティを主張せず、既往作品の研究とオマージュとパロディとリミックスから生成されていることを自他ともに認めている。この、言わば学術論文を書くような方法論こそ、いままでのほとんどの日本のポップスがオリジナルのフリした劣化コピーであることを隠しながら流布していたことと大きく異なる。

また、そんな細かい現象面やリクツのことはどうでもいい。

松本、大滝コンビの手による傑作、君は天然色、ベルベットモーテル以上の日本のポップスがあったら教えて欲しい。
もし、そんなものが存在するならもう一度日本のポップスを本気で聴いてもいい。CDを買ったり、ダウンロードしてお金を落としてもいい。いや、是非聴かせて欲しい。

大滝詠一亡きあと、そうでなければ本気で聞くべき音楽が思いあたらない。

唇つんと尖らせて 何か企む表情は
別れの気配をポケットに隠していたから
机の端のポラロイド 写真に話しかけてたら
過ぎ去ったとき シャクだけど 今より眩しい
思い出はモノクローム色を着けてくれ
もう一度、側に来て華やいで麗しのカラーガール

これより素敵な曲を、これより美しくて深い歌詞を知っている人が居たら是非教えて欲しいと思う。

合掌。

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