名古屋市立大学 栗原映像研究室ブログ

こあらっちのお散歩

毎年恒例のこあらっちがお散歩しながら千種区の名所を案内する映像作品の撮影でした。寒い時期にみなさんお疲れ様でした。
女子高生キャラをやってくれた宮地さんは特に寒かったと思います。また年越してから撮影再開ですが頑張っていきましょう!!

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映像コンテンツ特論 サイエンスフィクションまたは特撮映画の系譜

講義メモ 2017.12.18

テーマ「SF サイエンスフィクション または特撮映画の系譜」

「月世界旅行」1902年 フランス映画 ロベールウータン劇場他で上映 サイレント 手塗りのカラー作品と白黒バージョンがある
制作総指揮/監督/脚本/出演ほか ジョルジュメリエス
最近は綺麗に復元されたものがBDで見られる。言わずと知れた映画の特殊撮影やSF映画と言われるジャンルの元祖。
メイキングドキュメンタリー映像と併せて上映。スコセッシのヒューゴや映画の歴史書と見比べると良い。

「メトロポリス」1926年 ドイツ映画 サイレント 白黒
監督/フリッツラング。多くの制作費をかけ、数え切れないほどのエキストラを動員して作られた大作。人造人間のデザインはC3POの原型といわれる。オープニングテロップや設定はスターウォーズのオリジン。未来都市の様子/雰囲気はブレードランナー。ロボットが完成する場面は造形的にも映像的にもとても美しい。鉄腕アトムの元ネタの場面でもあるか。

「Lost World」1925年 アメリカ映画 サイレント 白黒
監督/ハリー O ホイト。シンドバット映画シリーズで知られるレイハリーハウンゼンの師匠ウィリスオブライエンがアニメーション担当。キングコングとほぼ同じストーリー。手塚治虫の漫画にもなった。もちろん、スピルバーグのジュラシックパークの元ネタでもある。アニメ技法は初期スターウォーズはじめ後の多くのSF作品に影響を与えた。
駒撮りアニメやミニチュア特撮の最初期の作品。

「獣人島」1933年 アメリカ映画 白黒
HGウェルズの小説がもと。1977年、1997年にも映画化された。
個人的には77年のバージョン、ドクターモローの島 が一番怖い。97年のDNA、マーロンブランドのモロー博士も良い。

「スターウォーズ エピソードⅣ」1977年 アメリカ映画
監督/ジョージルーカスと俳優/ハリソンフォードの出世作。SF映画というどちらかと言うと色物的であったジャンルを映画のメインストリームに引き上げた作品。同時にスピルバーグとともにアメリカンニューシネマの時代の終焉を招いた作品。おおくの映画へのオマージュが込められている。宇宙戦争という映画なのに、最終決戦はチャンバラか念力というのが楽しい仕掛け。
 多くの映画の続編は、ヒットしたことで後付けの作品が作られるが、本作での特筆は20代後半の頃のルーカスは始めにオリジナルの脚本をシリーズ9作分、全部書いてから手始めにエピソード4のみ映画化し、その好評を得て次々とシリーズを制作したということ。その作品に対するエネルギー量の充満から見ても最初の三作(エピソード4.5.6)が傑作であると感じる。

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講義メモ 2017.12.11 西部劇映画

テーマ 「西部劇について」 映像コンテンツ特論

「大列車強盗 活弁士の語りつき」1903年 アメリカ映画

 世界最初の西部劇映画であり、世界最初期のフューチャーフィルム。エディソン社(あの発明家の)の作製した映画。編集の概念の胎動でもあり、画面の奥行きを活かした撮影や演出やアクションシーン、列車の屋根での立ち回りなどが盛り込まれた作品。
ただし、西部劇映画が出来る前にもアメリカ文化にはワイルドウェストショーという演劇ねようなエンターテイメントが存在し、人気を博して居たことも忘れてはならない。つまりこう言うスタントショーやお芝居の元ネタがあって西部劇映画が生まれた。本作が西部劇映画の源流。

「駅馬車」1939年 アメリカ映画
 ジョンウェインがアメリカンヒーローとしてもっとも輝いていた頃の映画。また、パニックものの原型でもある。
疾走する場所や奇兵隊やインディアンの躍動感は秀逸。マッドマックス(特に2)はこの映画へのオマージュ。テーマ音楽は誰でも聴いたことがある筈。

「シェーン」1953年 アメリカ カラー映画
アランラッドの早撃ちアクション。もっとも基本的な、西部劇らしい西部劇映画。シェーンが悪の軍団を倒すのに発射する銃弾は僅かに4発。
戦いそのものではなく、そこに至る「家族」や「正義」「教育」をテーマに置く。
また、悪党一味との対決の場面の会話が秀逸。
シェーン曰く「いつまでもフロンティアじゃない。もう俺たちガンマンの時代は終わったのさ」
悪党「それじゃあ、お互い銃を店に預けて一緒に畑仕事でもするかい?」

Shane come back!! アメリカ映画は少年キャラクターの使い方がうまい。

「荒野の用心棒」1964年 イタリア映画
マカロニウエスタンの代表作。イタリア制作で撮影はメキシコでも西部劇と言うのかどうか。しかもストーリーは黒澤明の用心棒。

それでいて、たぶん一般の人が西部劇と言われて最初に想像するのは、このカメラアングル、音楽、世界観。
カウボーイブーツ越しに敵を写し、ピストル射撃を舐めて(カメラ越しに)撮影された画面のなかで敵が次々倒れる。セルジオレオーネ、クリントイーストウッドの代表作。

「RED SUN」1971年 フランス スペイン イタリア合作映画。
チャールズブロンソンは出てくるけど、シミひとつない白いシャツのウエスタン衣装のアランドロンと草鞋で侍姿の三船敏郎が流暢な英語で会話する不思議な映画。

もはや西部劇と言えるのかどうか。しかし意外にも史実に寄り添った世界観を提示する作品。西欧に派遣された伊藤博文以下の日本派遣団が現地で丁髷や裃や帯刀を異端視されて話題になり、新聞記事で揶揄されたことが廃刀令や丁髷の廃止に繋がったとも言われる。変化球的西部劇のひとつ。

「明日に向かって撃て」1969年 アメリカ
西部劇であると同時にアメカンニューシネマの代表作でもある。原題はブッチキャシディとサンダンスキッド。日本に例えれば坂本龍馬と西郷隆盛または、人斬り以蔵か。

ジョージロイヒルの傑作。かつての西部劇映画へのオマージュが随所に見られる。

西部劇を理解するには、アメリカを旅したときに本屋で、その頃の資料を探すと良い。ゴールドラッシュ、賞金首、名保安官、銃について、ジーンズについて、ゴーストタウンについて、など。
写真も文章も限りなく見ることができる。

バックグラウンドを知らずして西部劇を見ることは、例えれば封建社会や鎖国制度、身分制度や江戸時代と言うものををまったく知らずして時代劇を観るようなもの。
もちろん、普通に愉しむ分には何も問題ないが、映画的な論文を書くためのリサーチや作品制作の参考としてなら少し調べが必要になるだろう。

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ある日の講義から。講義メモ 2017.12.4

映像コンテンツ特論 概要

映画映像の歴史②

リュミエール兄弟の世界最初の映画から
「列車の到着 」
最初の映画はドキュメンタリーでもホームムービーでもなく、いわゆる劇映画の胎動であった。絵画や舞台演劇と映画の関係。

「工場の出口 」
多くのリハーサルを経て、着飾ったありったけの友人知人を集めて撮影されたこの映像は、いわゆる普通の労働者が工場から帰宅する日常の風景ではなかった。

「動画の科学」
ラスコーの壁画、映画の成立、モナリザの背景描写と映画史の重要な関係、エジソンとリュミエール兄弟の関係、蓄音機とキネトスコープと光学的回転テレビ、写し絵とマジックランタン、ジョナスメカスの考える映画の未来ほか。

「ニューシネマパラダイス」
40-50年代の 映画館(小屋)のドタバタや映画の楽しさを描いた作品。それと同時に個人映画の胎動や可燃性フィルムの悲劇にも言及するイタリアの傑作。メリエスを扱ったスコセッシのHUGOとセットで観ることを勧める。

「カメラを持った男」
ソビエトの国策映画に学ぶ。映画の眼とは何か?機械化文明を批判しながら自らも機械メディアに携わる矛盾と葛藤、冷徹な観察眼と慈愛の眼差しの両方を提示した映像作品。ドキュメンタリーまたは実験映画の源流。

「街の灯」
観客が笑いながら泣いてしまう重層構造を持った映画。今日のコメディやお笑いの手法やアイデアの素がここにある。トーキー時代を迎えても頑なにサイレント映画による表現に拘った傑作。特にこの映画のラストシーンは圧巻で、チャップリン自身の生い立ちがダイレクトに投影されている。人間不信、虐め、差別、女性や母性へのコンプレックス、人種差別、身体的な差別、経済的な差別、そして何よりも人間愛が見事に描写されている。観客がビターエンドともハッピーエンドとも受け取れる深みのある映画。
しかし、ピータークーベルカに言わせればたぶん「劇映画、商業映画で扱うには真面目過ぎるテーマ設定」と言うことにはなろうか。。

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知多半島映画祭

知多半島映画祭に行ってきました。春に撮影したこちらの作品を上映させていただきました。その舞台挨拶風景他です。
みなスポットライトを浴びて楽しそうです。津田さんともご挨拶させていただきました。また是非よろしくお願いいたします。

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学祭 川澄祭(医学部)

11月4-5日の川澄祭に映像研究室有志が模擬店を出店しています。パスタドーナツを出しています。国内の大学祭では初見参かもしれません…。果たしてうまくいくのでしょうか。

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2017年 実習4 映像制作

先日の撮影の様子です。初めての撮影に皆戸惑っていたようです。このあと、スモークマシン、雨降らしなどやりましたが、初めてだとどうしていいかわからないのでしょう。
その撮影のときには写真を撮影するような余裕はありませんでした…。出演してくれた七恵ちゃんお疲れ様でした。

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